To be, or not to be

メディア分科会の金です。

ブログを更新するのが遅れて誠に申し訳ございません。激しい議論を繰り広げた北京セッションもあっという間にその終わりを迎えました。短い一週間でしたが、日本に留学している中国人留学生の私でもいろいろ予想外な発見ができ、非常に有意義な時間を過ごしました。
 メディア分科会の最終目標は「メディアを使い私たちの明日(日中関係)を変える」です。このうち日中関係については今後の東京セッションで議論します。北京セッションでは、メディア一般の議論として、私たちとメディアの関係やメディアの持つべき責任などの現状分析と、私たちがこれから期待するメディアの機能および新しいメディアのトレンドを議論しました。政府による情報規制の正当性、メディアの商業化の明暗、SNSに不正確な情報を流し社会的混乱を招いた人をどう対処すべきか、といった問題を議論するなかで、北京大生と東京大生間の明らかな差を感じました。
 例えば「政府による情報規制は正当か」という議題において、日本側は人々の言論の自由が絶対的であると主張したのに対し、中国側は情報規制は完全に良いものではないが、社会的安定を保つ為になくてはならないものと信じていました。日本側が言論の自由を絶対的であると考える背景には、第二次世界大戦時の経験がありました。一方中国側は、国民は教育が不足しているために非理性的になることがあり、社会問題やデマに対して暴動を起こしかねないから情報規制が必要だと考えていました。中国に住んだ事のない東大生にとっては理解しがたい話ですが、2012年の過激な反日デモ福島原発事故後中国国民の反応(塩を大量購入し過量摂取により致死者も頻出)を見る限り、中国における現時点の情報規制の必要性を少なからず感じました。
また、マスメディアやソーシャルメディア両方の需要が飽和しつつある日本と比べて、中国では国民消費水準の向上やメディア市場規模の拡大、都市化推進といった社会変化が生じ、またそれに応じて、中国メディアも変貌しています。特定の分野に特化・深化したメディアが多数生まれる「垂直化」、商業化の推進、個人が発信者となる「WeMedia」の誕生なども非常に興味深い話でした。中国大手メディア「凤凰网」(Phoenix)へのフィールドワークの時で聞いた話によりますと、近日で開かれた日本の有数アーキテクトである伊東さんの講演が開きました。このように、メディアが国境の垣根を越え、日中両国の影響力の高い有名人間の交流のプラットフォームを築き上げています。
東京セッションの開催まで後一週間を切っています。

両国の報道がそれぞれ日中関係にどのような影響を与えているのか、日中関係を改善するにはメディアはどうすべきなのかなどの課題をクリアしなければなりません。さらに、社会の一個人の私たちは如何にメディアを駆使し、情報の受信者だけでなく発信者として自分ならではの貢献をするのかが一番重要な事ではないかと、私は信じております。