第二回全体ミーティングのご報告

皆様はじめまして。社会的責任分科会の一宮と申します。
今回は、先日行われた第二回全体ミーティングについてご報告します。

全体ミーティングとは、私たちが行っている議論の進捗を報告し、アラムナイ(OB・OG)からフィードバックを受ける場です。6月にも同様の機会があり、京論壇2014としては二回目となりました。
前回の全体ミーティングにおける数多くの指摘を参考に、各分科会とも議論を一から見直したうえさらなる準備を重ねてきましたが、今回もまた非常に有意義なフィードバックを得ることが出来ました。どんなに慎重に準備を重ねても必ず抜け漏れがあるもので、改めて現状の課題が浮き彫りになるこうした機会はきわめて貴重です。

私の属する社会的責任分科会に関して述べると、「現状の北京サイドの社会的責任意識について仮説を立て、それに対し働きかけて行動を変える」という方向性を描いています。報道からは日本人と異なる社会的責任意識を持っているように見える中国人に対し、そのような意識を持つに至ったバックグラウンドを明らかにし、そこに現れるであろうステレオタイプに一石を投じることが、「明日を変える」ことにつながると考えたためです。しかし、このビジョンに対しては「先入観が強すぎるうえ、“正しい”見解を持つ東大サイドが北京サイドを頭ごなしに“説得”する図式になってしまう」との声がありました。
北京サイドとの接触が限られているいま、相手が何を考えているかについては仮説に依らざるを得ません。また、「明日を変える」議論を行ううえで、現状の意識に疑問を呈すること自体は誤っていないと考えます。しかし、このような進め方には、それぞれ異なる個人に相対しても仮説にこだわりすぎたり、相手を「変えよう」と思うあまり高圧的になってしまう、もしくはそのつもりがなくても相手にはそのように受け取られてしまう危険性があるということに、指摘を通して気付きました。
北京サイドへの問いかけは、もちろん同時に私たちにも向けられます。「価値観の議論」を通して「明日を変える」、しかもそれを一方的な押し付けにならないよう実行するにはどうすればよいか。私たちが京論壇で行う議論のそもそもの部分を、いま一度考え直す契機となりました。

いよいよ9月となり事前準備が佳境に入る中、フィードバックと同時に応援の声も数多く受け取り、いっそう身の引き締まる思いで最後の詰めに臨んでいます。
セッションをより有意義なものとし、皆様のご期待にお応えすることが出来るよう、あらゆる準備を重ねて参りたいと思います。